病院案内


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病院長ごあいさつ

社会が大きく移り変わりつつある平成31年3月に、循環器と脳脊髄の高度な急性期医療を行う「脳心血管病診療棟」が新しく機能を開始し、まもなく令和の時代を迎えました。同時に開設から半世紀に渡ってながらく親しまれた「秋田県立脳血管研究センター」という名称が「秋田県立循環器・脳脊髄センター」に変更されました。

脳卒中と心臓病は同じ血管に起こる病気として、脳心血管病という概念でまとめると、日本人の死因の第2位であり、その頻度はがんに近くなります。当センターでは今回の機能強化に伴い、脳卒中や心筋梗塞などに代表される「循環器」疾患に対し、高度な急性期医療を提供する体制が整いました。もちろんこれまで当センターの果たしてきた中心的な役割である脳卒中の治療については、予防に関する取り組みをはじめ、発症時には薬物療法から、伝統のある手術治療に加えて、先進的な血管内治療まで幅広く提供することができます。

専門性に特化すること、機能分化すること、高度な医療を提供するために入院医療に特化すること、などは現代における病院に対する社会の要請となっています。当センターでは先進的な外科治療を実現できる環境を用いて、脊髄脊椎疾患における侵襲の少ない熟練した外科治療を提供しています。また脳や心臓の病気になったあとも、生活の質を向上させていただくために、急性期から回復期のリハビリテーションに盛んに取り組んでいます。一方で神経変性疾患や認知症などの中枢神経系の慢性疾患の診断・加療については、諸事情もあり同じ県立病院機構の中で県立リハビリテーション・精神医療センターと機能分化するほか、地域の専門の先生方にその役割をおまかせしています。発症や再発予防のための生活期においての管理については、地元の診療所の先生に生活の場で行っていただくという方向性で、秋田県民の健康で質の高い生活の実現に寄与していきたいという方針です。

新しいセンターの名称からは、研究という2文字は消えました。しかし略称である「脳研」の存在意義のひとつでもあった研究活動はより活発にしていき、独自の視点から脳卒中や循環器疾患、脊髄脊椎疾患の解決に向けて取り組んでいきたいと思っています。特に脳卒中や循環器疾患の予防については、秋田県とも協力しながら最重要課題として取り組んでいます。

未来に向けた可能性を開くために、役割も変わり名称も変わりました。あとさらに半世紀にわたって、皆様に信頼され必要とされるセンターでありたいと思っています。

病院長  石川 達哉

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